ポロロッカ

仄暗い水の底からのポロロッカのレビュー・感想・評価

仄暗い水の底から(2001年製作の映画)
3.4
離婚調停中で娘の親権を夫と争っている淑美は新しいマンションに引っ越す。

侵食する非日常を描くには侵食される側の日常も描くのが絶対条件だと思います。
この作品の場合、その日常自体が息苦しいものなので、非日常との間で板挟みにされる主人公が実に辛く映りました。
ヒスる気持ちも大いにわかります。

そんな風に、不穏な空気をまといながら恐怖を煽ってくる秀逸なホラーだとは思うのですが、一点だけ気になることがあります。
ちょっと霊側の描写が少なすぎるのではないかと..。
せっかくヒューマンドラマを盛り込んだのに、そのせいで同情の余地がなくただただ理不尽さにイライラしてしまいました。

全編を通したジメジメさと、母の愛というテーマに関してはよくできていたと思います。