Jimmy

夏時間の庭のJimmyのレビュー・感想・評価

夏時間の庭(2008年製作の映画)
3.8
オリヴィエ・アサイヤス監督×ジュリエット・ビノシュ。

母の75歳の誕生日に、3人の子供(息子2人、娘1人)と孫たちが集まる。

母は「自分が亡きあとは、家や財産は好きにして」と言い残すが、その家の調度品たるものや『オルセー美術館が欲しがっているの』と母親が言うだけあって、素晴らしい物ばかり。
撮影には、実際の美術品を使ったようだ。(コローやルドンなどの絵画など)

思い出を大切にするか、物を自分のためにいつまでも大切にするか、という価値観を突きつけられた気がする映画だった。

母が「あなた、なかなか(フランスに)来ないわね」と言うと、娘(ジュリエット・ビノシュ)が「ニューヨークは遠いの」、母「こないだ、日本の雑誌を見たけど、よくわからなかったわ」→娘「あれは、TAKASHIMAYA向けに作ったの」なる会話があり、ジュリエット・ビノシュの口から『TAKASHIMAYA』なる言葉が出たのは少しビックリ(笑)
ただ、日本語字幕は「日本のデパート向け」と記載されているので、良く聞いていないと聞き逃す。

娘アドリエンヌ(ジュリエット・ビノシュ)は、『ポール・ボルティエ・コレクション』として、美術品などはオークションに出してしまえば…などと言い、上海に住んでいる次男も会社資金が必要なので売却に賛成。
ただ一人、売却したくないという長男の希望は叶わず、家も美術品も売却方向になっていき……という物語進行になっていく。

美しい風景の中で、お互いの気持ちを理解し合おうとする家族の素晴らしさを見せてくれたオリヴィエ・アサイヤス監督作品である。
Jimmy

Jimmy