「我々の一生では何かが終わっても、すべてが消えるのではなかった」 (
遠藤周作)
若い頃に叶わなかった夢が、思いもよらない形で手中に戻ってくることがある。そんな人生のふしぎさを感じさせてくれます。
大学1年生のときに見て、あまりにもバベットの「芸術家」としての生き様がかっこよくて潔くてしびれまくった大好きな映画でしたが、見返してみると、老姉妹やほかの登場人物も味わい深い。
この映画はほとんどのキャラクターが人生の終盤にさしかかっていますが、若い頃に叶わなかった恋愛や希望が、また別の形になって彼らのもとに舞い降りてきます。
華やかさこそありませんが、まれに見る美しい映画です。