バベットの晩餐会の作品情報・感想・評価

「バベットの晩餐会」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

北欧の片田舎に住む厳格なプロテスタントの姉妹の元にフランスから亡命し家政婦として仕える事となったバレットが晩餐会を開く話。
デンマークの映画。おしゃれ。とても静かで常に曇ったような閉鎖的な雰囲気が逆に美しい。辺鄙な村には浪漫がある。派手な事が起きるわけでもドキドキハラハラの展開があるわけでもないけど、観終わった後にじんわりと心に余韻が残る。村全体が信仰深く、必要以上に食事を楽しむのでさえ罪深いと思っている人達ばかりなので晩餐会の前にみんなで味覚を感じないようにしようと結託するシーンはシュールで面白い。本人達は大真面目なんだけどね。出てくる食事も美味しそうでいいなぁ。外部から参加した将軍が一人食事を楽しむ一方で、村人達は誓いを破るまいとして少しズレた発言をするも表情だけは段々と解れていく過程にほっこり。将軍のプラトニックな恋がまたいいんですわ。バベットが言う「貧しい芸術家はいません」って台詞好き。ほんと全体的に気高く綺麗で優しい物語だった。ウミガメのスープってどんな味がするんだろう…。
bijyo

bijyoの感想・評価

4.4
保守的で禁欲的なデンマークの村人達に振舞われるのは、贅の極みを尽くしたフランス料理。

究極の異文化コミュニケーションである食を通して、今世では果たされなかった夢や愛が昇華されていく。
nutaki

nutakiの感想・評価

4.0
1987年のデンマーク映画。とても好き!定期的に観たくなる。これはファンが多い映画で、恐らく40代以降の女性が好きな作品だろうね。
実はこの原作はかなりダークでブラックユーモアが効いた小説。映画はソフトでホッコリとした作品になっている。
片田舎の小さな村。結構なお歳の美人姉妹。近所の一人暮らしの家にパンやシチューを届けている。(かごや容器が可愛い)
若かりし頃の回想。姉のマーチーネには士官のローレンス、妹のフィリパには歌手のパパンが思いを寄せるが、姉妹は共に牧師である父の元に残る道を選ぶ(もったいない!美人なのに)
父も亡くなり、姉妹は2人で慎ましく清廉な暮らしを続けていた。そんなある日、フランスから亡命して来たバベットが家政婦として働くようになる。こちらも美人。演じたのはステファーヌ・オードラン。2018年に85歳で亡くなった。
このバベットが、姉妹の家で開く牧師の生誕100年を祝う会に、豪華な手料理を作ることになって‥‥。
この晩餐会の料理にビックリ。材料も凄い。大きな亀は海亀のスープに。ウズラは姿もそのままにパイの上に乗っかる。キャー。食べたくないし、美味しそうという訳ではないが、格調高いフレンチという感じで、バベットが作る様子を観ていて、面白く楽しい。デザート、フルーツ、チーズも大胆なてんこ盛り。貴重なワインやシャンパンも料理に合わせて替えて。でもこの豪華ディナー、このメンバーで(ほぼ素朴なジジババ。味の分かるのはローレンスのハゲちゃんだけ)この料理の良さが分かるのかい?と思うが、食べていくうちに皆の表情がどんどん変わっていく。明るくなっていく。
悲しい過去を背負うバベットの、料理を通した感謝の気持ちの素晴らしいこと。
集まった村人たちのギクシャクした関係が見事に修復されていく、料理マジック。
恋も捨て宗教と共に生きて来た姉妹の人生。胸がジーンとなるラスト。
あー、この映画の魅力は語るのが難しいなあ。
前半はやや退屈かもしれないが、後半の晩餐会とラストが、素晴らしい!
カメもウズラも要らないけど、あのデザートは食べてみたいな。
りな

りなの感想・評価

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食べ物がおいしいというシンプルなことが1番の幸せ。よくわからんけど幸せで体が踊ってしまう。
MaricoAbe

MaricoAbeの感想・評価

4.5

このレビューはネタバレを含みます

豊かで美しい映画。

料理家は芸術家でもあるんだな。
最高の仕事を、ここでしたかったんだな。

美味しい料理とお酒で少しずつほぐれていく村人たち。
最高だ。

欲を言えば、わかりやすく美味しい!って伝えてあげて欲しかったけど、でもきっとそんなことはしなくてもバベットは満たされてたんだろうな。

貧しい芸術家はいないのです。

なるほど。
よかった。
はつみ

はつみの感想・評価

3.7
人に薦められてみました。
こういう機会がない限り見ることがなかった作品だと思う。
見てよかったです。
1987年のアカデミー外国語生受賞作品。
19世紀のユトランド(今のデンマーク?)の片田舎が舞台なのだが、画面が薄暗いので全体的に重苦しい雰囲気が終始漂う。
その片田舎にバベットというパリ・コミューン(この出来事を全く知らなかったのでいまだにぴんときていない)によって家族を殺され、フランスから亡命してきた女性。
その女性が実はフランスで有名な料理人だったという話なのだが、このバベットの作る料理がめちゃくちゃうまそう食べたい。
またたまに挟み込まれる秀逸なギャグシーンがくすっとさせるし、ハエルヤじじいがかわいい。
一見重そうな暮らそうな映画に見えて意外とそういうのがあるので思ったよりも見やすいと思われる。
2016年10月24日視聴しました🍀

この映画を見ると、 手の込んだ凝った料理を作りたくなります😋
Pam

Pamの感想・評価

4.5
なんて美しい映画なの。。気高い。役者の選択にもブレがない。

こんな矛盾のある映画はみたこともない。この映画も実は私にとっては1987年以来。やっとストリーミングで安心してみることができた。
一度目は日本語字幕で、今回は仏語だけで。

当時は宗教映画でもある意味がわからなかった。グルメ映画としかみていなかった。。でも改めて見るとなんと美しい宗教映画なのだろう。人々の生活に生きる神様。しかも普通の寒村の市井の人々。普通の日常会話に出る神への賛美の言葉。(神への賛美は何度聞いても私の心が洗われる)

ストイックな寒村での宗教生活と、最初は隠してはいるがパリから逃げてきたバベットの元料理人として隠せないしぐさがいちいち出てくる。これは一回目の鑑賞ではわからなかった点。私も年を経てバベットの年齢に近くなってきたからこそこういう歳の女性のしぐさに敏感になる。
そして聖職者であった老女たちの亡父を偲ぶ晩餐会でバベットの芸術が爆発する。彼女を今はなきカフェアングレのあのシェフだとわかったのは将軍だけだったが、バベットと将軍の食の快楽を知るフランス人だからこそわかりあえる食卓の言葉のない会話は泣けてくる。(将軍は口に出すけどね)
この場面には「あなた方にはわからないがこれが芸術なんだ」と確信する将軍がいる。決して傲慢さではない。何かに触れてしまった静かな喜びを表現する将軍の抑えた演技も素晴らしい。

この美しい老姉妹の毛糸のショールの編み目。これは手編みでないと出ない。そして美しいラインのバベットのワンピース。

私はこのお料理をあなた方だけのためにしたのじゃありません。アーティストは貧乏じゃありません。最高の材料を使い、幸せにさせること、それがアーティストなのです。

アートと信仰。。

こういうのを見るとやっぱり今のヨーロッパ映画がなんか。。浅はかに思えて仕方ない。ブーブクリコ、クロブージョ1845年、マールドシャンパーニュ。。すごい酒や亀、氷、うずらなどをパリから持ち帰るシーンは素晴らしい。バベットがいたというカフェアングレーという今はもうすでにない。コロナでまたパリの伝統カフェが姿を消すだろう。時代の流れには逆らえない。またバベットのような芸術家が世界のどこかでアートと信仰を昇華させてくれるかもしれない。。
かわいい
うまそう
すき。

慎ましさと貧しさ、
絢爛さと豊かさは別物
宗教は心を慎ましく、
食事や歌は心を豊かにする。
料理映画の最高峰でしょう
美味しい料理とはここまで人の心を満たしてくれるのかと、しみじみ考えさせられた。

公開時渋谷の映画館の隣のレストランで、公開に合わせて同じ料理のコースメニューを出していた。私は貧乏学生だったから、手が出ず...あの時借金をしてでも食べに行くんだった(笑)
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