ノットステア

デッドラインU.S.A.のノットステアのレビュー・感想・評価

デッドラインU.S.A.(1952年製作の映画)
4.0
○アマプラ紹介文
オーナーの娘の意向で他社に身売りされようとしている新聞社の編集長が、暴力に屈せず報道の自由と正義のために闘うという社会派ドラマ。新聞記者出身のブルックス監督は原題の「デッドライン」に、アメリカの民主主義を守るための「最終期限」を訴えたかったのか。



○きっかけ
『スポットライト 世紀のスクープ』を観たので、似た作品をいろいろ観てみようと思う。



○感想1
1952年の作品。この時にはもうすでに新聞記者が悪と戦う話があったんだなぁ。。。
この時にはすでに情報多すぎて、しかもテンポが速すぎて、ついていけないような作品があったんだなぁ。同時進行で部下に調査させるし、そのうえ主人公の恋の話もあるし。87分の作品だから短くて楽かと思いきや大変大変。

他の方のレビューを観て、ボギーって誰だ?って思ったんだけど、ハンフリー・ボガートの愛称がボギーなのね。

以下、ネタバレあり

















○あらすじ
裁判。リエンツィという男が選挙に介入した疑惑。選挙運動の報酬20万ドル?つまり贈収賄疑惑。

毛皮のコートを着た女の遺体が見つかった。金持ち?コートの下は裸。記事は2面を予定。

主人公は新聞紙ザ・デイの編集長エド・ハッチソン。

リエンツィの罪を追及したい部下のバロウズに対してエドは「有罪を証明するのは我々の仕事じゃない…中略…見せ物にすぎん。テレビと新聞が騒いで儲かるのはリエンツィの弁護士だけだ」と言う。エドは3日だけバロウズに追及を許可する。用心するように言う。

創業者の遺族のガリソン夫人たちからザ・デイがライバルのスタンダード紙に売却されると告げられる。
創業者の相続人である娘二人と妻の全員の賛成。エドは意義は通らないと分かっている。
ザ・デイ創刊号1面"新聞を売るだけで満足せず発展と改革のために闘う。我々はどの層からの攻撃にも決して屈しない"
売却に関する審判は明後日開かれる。
エドは「葬式には行かん」と言う。
売却の話でザ・デイをやめたい人が出てくる。エドは許可する。

同僚によるザ・デイの告別式に参加。
ジムはかつて創業者に「君はジャーナリストかリポーターか?」と聞かれた。その違いは「使命を持って書くか、情報を垂れ流すかだ」
バーンダラー(速記が得意な?女性)、ウィルブラント(女性記者)など人物紹介みたいな。。。
エドは他の新聞社の新聞をダメ出しする。俺たちの理想とは違うと。ニュースに専念せず、漫画に占いとか載せて、、、と。
エドは新聞記者の仕事は、公共の利益のために尽くすことだと考えている。

エドは離婚調停中の妻の元に行く。これからは新聞のためにはたらかなくてもいい。離婚を取りやめようと。妻は言う。離婚の理由は性格の不一致。

翌朝、ザ・デイの記者バロウズが何者かに襲われ倒れていたところを発見される。片目を失明する危険があるほどの重症。
犯人はリエンツィの部下だと推測。

エドは社員たちにリエンツィを追及するよう指示する。
エドはバロウズに自分の口座からお金を送ったり、医者をバロウズの元に派遣したりする。出張予定だった医者をバロウズの元に送るために、個人的にも寄付をすると言うエド。
ウィルブラントは毛皮のコートの女の事件を調べる。被害者の名はベシー・シュミット。通称サリー。

エドは夜、妻とレストランで食事。妻は再婚するつもりだと言う。
エドは嫌がる。新聞記者も辞めると言う。
妻はエドのことを「あなたは世界一の新聞記者よ。まっすぐ進んでほしいの。新聞はあなたの人生でしょ。だけど私も幸せな人生を送りたい」と言う。
エド「そいつと?」
妻「たぶん」
エド「俺と過ごしたようにそいつと過ごせるか?本当に好きか?俺ほどには愛せないだろう」
妻「愛があっても結婚は別物だわ」
こんな話をしているときも会社から電話がかかってくる。

ウィルブラントが書いた記事を載せることができない。広告担当が許可しない。百貨店社長の圧力のせいだろう。ウィルブラントの記事はボツにせず一時預かり。

戻ると妻がレストランから帰っている。

広告担当に話をする。記事の不掲載を決めたのは創業者の長女。百貨店店長の愛人?サリーが百貨店のモデルを辞めると言ってきた。他の男の元へ行くため。その男とはリエンツィ。
(※百貨店店長には妻がいるのにサリーと不倫していた。その弱みをリエンツィが握った。百貨店店長は2年も会っていないと無実を訴える。百貨店店長の妻は新聞社に直談判に行くよう言った。ということだと思う。)

リエンツィの不倫について裏取り。
ボクシングのジャッジをしていたハーマン・シュミットはサリーの兄。リエンツィはボクシング評議会と関係がある。シュミットへの調査。

妻の再婚予定の男がザ・デイのエドの元に来る。話をしているときも部下が来たり電話がかかってきたり。部下に指示を出す。
リエンツィの投資先を調査。糸口は州知事。
サリーは国債を4万ドル買ってた。
妻は明日の夜結婚する。と言われても電話。
サリーとリエンツィのつながりの裏が取れる。
広告会社のシェイファーを調べる。

部下のスポーツ記者のジムがサリーの兄のシュミットを見つける。しかし銃を向けられる。シュミットはリエンツィに殺されるのではないかと恐れている。記者は助けてやると言う。リエンツィが捕まれば命は助かる。

創業者の妻はザ・デイ売却に反対する。スタンダード社のホワイト氏に売却にすると新聞が死ぬとは知らなかったと言う。
しかし娘二人は売却に賛成。すると、創業者の妻はザ・デイを買うと言う。
創業者の妻は昨日と今日の新聞の、今どき珍しい誠実さに胸を打たれた。
売却は延期。ただし、ザ・デイの質が落ちればすぐにホワイト氏に売却。

リエンツィがエドの元に現れる。エドはリエンツィの車に乗る。
エド「記者を殴るのは警官に手を出すと同じだ。女を川に捨てるのも極悪非道だ」
リエンツィ「俺は建設業の人間だ。そんな話は関係ない」
エド「アル・カポネは保険業か」
リエンツィ「面白いことを」
エド「なら笑え」
リエンツィ「傑作だ」
エド「明日の新聞はもっと傑作だ」
リエンツィはエドを新聞で叩く。
エド「やっと本性を現したな。殺す気か?」
リエンツィ「偉そうにしやがって。世界を救う英雄のつもりか。大義を守る殉教者になる気だな。そのためには死ぬしかない。告訴したっていい」
ザ・デイに到着。シュミットが新聞社に入るところをリエンツィは目撃。

エドはシュミットから話を聞き出す。エドの推測が的中。サリーはリエンツィから20万ドル(選挙運動の報酬)を預かっていた。返したら縁を切られると思い、カネを渡さなかった。それがリエンツィの恨みを買うことになった。

ジムに州知事に接触して前回の選挙を調べてもらうことにする。ザ・デイが支持した議員も浮上するかもしれないが、新聞社は不偏不党。しょうがない。

シュミットは嘘をつくが、エドはウィルブラントからの情報で上を行く。シュミットはサリーの居場所を知らなかったと言うが、実は訪問していた。

リエンツィはサリーの家に行ったがカネはなかった。リエンツィはシュミットに聞いた。教えれば借金を帳消しに。
サリーは脅されてもカネを出さなかった。リエンツィの部下にサリーは殴られ、怖くなったシュミットは逃げた。

シェイファーの情報を聞く。大した事ない情報。

創業者の妻がエドに会いに来る。リエンツィが名誉毀損でザ・デイを訴えた。

ザ・デイの記者がシュミットから話を聞き出しているところに警官が逮捕状を持って来る。シュミットは警官に連れて行かれる。
警官のフリしたリエンツィの部下。

ザ・デイを創業者の妻が買収するために、銀行員と相談。
エド「自由な報道は危険を伴うものだ」

逃げようとしたシュミットは銃殺される。
シュミットの署名がないため、証言は認められないだろう。

ザ・デイが1面はシュミット殺人について。
リエンツィは部下に暴力は止すように話していたから、部下は怒られる。

エド「リエンツィを追及する理由を?殺された女が哀れだからではない。新聞が生き残る活路があるからだ」
エド「我々は決して屈しなかった。あの頃は新聞の真の力を示せた。だが今敗れようとしている」
創業者の妻「主人は"やりがいある闘いに勝敗は関係ない"と"成果が必ずあるから"」

創業者の妻「新聞に美しい脚が生えてれば妻は要らない」
エド「あなたもご主人と別れられなかった」
創業者の妻「別れようとしたわ」「花嫁は夫にかまってほしいものよ。でも主人は朝から仕事で家を留守にしていた。それで私は家出したの」
エド「でも戻った」
創業者の妻「2日後にね。彼は気づきもしなかった」
エド「愛妻家だった」
創業者の妻「仕事の合間だけはね。ジャーナリズムのために闘い続けていたけど、家族のために時間を割かなかった。それで娘を連れて出たこともある」
エド「なぜ戻った?」
創業者の妻「互いに必要だったの。私は主人に合わせたけど、子供たちには無理だった。主人は後継者を求めていた。でも子供たちは頑固親父を嫌ってた」
エド「俺に似てる」
創業者の妻「生き写しね」

創業者の妻「ノラ(エドの妻)を責めないで。本人の意志を尊重しなきゃ。戻ろうと思うまで」
エド「新聞に熱中するとしよう」

エド「結婚しようか」
創業者の妻「やめて(笑)」

リエンツィはシュミットが死んで、新聞の続報はないと考えている。
リエンツィ「新聞が生き残るのならハッチソンを消す。あいつらには見せしめが必要なんだ」
リエンツィはエドを捜すよう部下に指示する。リエンツィはエドに会う気はない。

裁判。
エド「ザ・デイを作っているのは多くの人です。情熱と知性と経験を備えた1500人の社員たちです。所有権はありませんが我々には29万人の読者がついています。存続を望んでいるはず」
エド「ザ・デイがなくなればリエンツィを追及できない」「大問題だ」「市民の関心事だ。新聞は市民の利益にかなうものでないといけない」「誠実な新聞こそ卑劣なギャングから市民を守るんだ」
裁判長「ハッチソンさん。法廷では規則を守り節度を保ってください」「29万人の読者の1人として今回はあなたの発言を認めます」「ただ個人的な話になるのは避けるように」
エド「新聞は個人的な媒体です。家庭で読むんですから」
裁判長は売却後にどうなるのかは審判の対象外だと言う。

エド「買収されてもいい新聞はある。だが新聞を潰す気なら話は別だ。競争なくして報道の自由はない。経営も自由でないと。報道を選ぶのは市民の権利であり1人の指導者や政府に委ねてはならない」

翌日からザ・デイの経営はホワイト氏が行うことになる。

サリーの母がザ・デイに現れる。編集長にだけ話すと言う。
サリーの母は、サリーとリエンツィについて書いてあるサリーの日記と、20万ドルを持って現れる。
エド「警察へは?」
サリーの母「警察のことなんて知らないわ。私が知っているのはこの新聞だけ。31年間読んできた。米国に移住して善良であろうとした。新聞にすべて教わったの読み書きも学んだ。娘が死んでもあなた方は悪く書かなかった。残酷な写真も載せず…犯人を搜そうとしてくれてる。今度は私があなた方を助ける番よ。それで1日中地下鉄に乗って新聞社にやって来た」
エド「息子さんのように命の危険が」
サリーの母「あなた方は決してひるまなかった。私は恐れない」

殺したのはリエンツィ。
エドの元に妻が戻ってくる。

リエンツィからエドに電話。
リエンツィ「忠告しよう、記事にするな。いいか、日記を載せるな」「いいか、掲載したら殺すぞ」
エド「もう止められない。全国の新聞を止めるのは無理な話だ。今度ばかりは脅迫も通用しない。新聞が真実を載せれば終わりだ」
リエンツィ「ふざけたことを言わず、返事をしろ」
エドは新聞の印刷が始まった音を聞かせる。「万事休すだ。止められん」



○感想2
ザ・デイはその後やっぱり売却は避けられないか〜。社員は職を探すしかないのか、、、