Yu

THE WAVE ウェイヴのYuのネタバレレビュー・内容・結末

THE WAVE ウェイヴ(2008年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

すごいなと思った。
授業でなかったらきっと観ることはなかったと思うけど、観れてよかった。


前々から人類学系というか、こういう問題結構好きで、人間の中で起こる問題っていうか縮図が見えた感じがすごい勉強になった。

最初はくだんねぇなとか思ってた生徒も集団の中で仲間意識を持つことに快感感じて、仲間がいる自分仲間から認められる自分に酔って、その集団のためになにかすることによって存在意義を示そうとしたり、人間の帰属意識の高さって怖いなと思った。
同じルールを遵守して、同じ行動をとって一体感噛み締めて、共通の敵を作り上げて、自分たちは共同体だって半ば自己暗示に望んでかかってく感じ(._.)
本来関わることのない、悪気取ってる奴と陰キャが平等な立場に立ってるのが印象に残ってる。
昔はTimは仲間として認められたくてへりくだってたし、そんな彼を馬鹿にしてたし蔑ろにしてたくせに、Die Welleができた途端に俺の仲間になにしやがんだみたいなことしてる。
別にあの場でのSinanたちは本気だったし、昔のばかな力関係のことも後々反省してるし、友情見られて好きなシーンではあるけど、その普通の学生生活では覆らないカーストさえ壊れるんだと思うとぞっとした。
そして、きっとTimはそんな自分の立場とかに悩んでて寂しさも感じてて、Die Welleの一員になったらみんなが友達になってすごい幸せ感じたんだろうなと思った。
私なら何としてでもその状況変えられたくないし、尊敬する人はそのイメージ崩さずにずっと自分の依り代であってほしいし、そんな自分の大切な場所を壊そうとする人はみんな敵になっても仕方ないかも。

そんな大事な人に大事にしてた拠り所を壊されたTimが自殺を選んだのも、理解できた。
癇癪には違いないんだけど、自分がいけないことしてるのもほんとはそんなことしたくないのもわかった。
あの人が一番可哀想だった。

基本的にまわりに流されてるMarcoはヒーローでもなんでもないんだけど、それでも目を覚ましてやっぱりKaroを愛してる、愛してるのに殴った、そんな自分はどうかしてる、って立ち直ったのちょっとかっこよかった。
そして、自分の目も覚まさせてくれた彼にありがとう、って目を見て言ったWengerの気持ち考えたら怖くなった。
止めてもらえてほっとしたんだろうな…。

最近長文ばっかになる気持ち悪…(´ . .̫ . `)

2015*12*09
Yu

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