のすけ

THE WAVE ウェイヴののすけのレビュー・感想・評価

THE WAVE ウェイヴ(2008年製作の映画)
4.1
これは秀作。
実話をもとにしており、人間の恐ろしさをよく描き切っている。
名作『es』にも通じる集団心理の怖さをこれでもかと見せつけてくれる。
人は集団になればなるほどIQが下がってまともな判断や行動ができなくなる。
よく分からず集団デモに参加してる人や、クラス内でのイジメも似たようなものがある。密室で火事が起きて、非常口がどこだか分かっていたとしても、混乱した数名が慌てて逆へ走り出せば、全員がもうダッシュで同じ扉へ殺到する。

これまた名作の『ミスト』などでも、スーパーマーケット内で確実に同じような集団心理が働いていたし、これってほんと洗脳されている状態なので止められないし、まともな心理で見てる側からすると恐怖でしかない。
人間が一番恐ろしいと感じる瞬間。それは時に無意味な戦争すら起こさせ、罪のない人々を数えきれないほど殺してしまう。
それほどの恐ろしさだと理解して観ると、この作品の狂気が全身を駆け巡るはず。