珠世様を演じられた島田陽子さんの追憶で久々に見る。
一番回数を多く見ている映画は、本作かカリ城。ソラで台詞が言えるほどだ。
それでも、見るたびに新しい発見をする。今回は、お屋敷の襖の金箔の美しさに魅了されながら見ていた。
確か、金箔の輝きは市川崑監督のこだわりがあったと聞いた。ライティングの妙だろうか。
禍禍しいほどに光っている。
珠世様は佐兵衛翁の実孫だとは知らなかったのだろう。それを知っているのは佐兵衛扇、ただ一人。
実孫の珠世様を愛しながらも、危険な目に合わせるために異常な遺言状をしたためる佐兵衛翁。
倒錯した愛情にまんまとからめとられた松子奥様の悲劇よ。
見るたびに演者の方々が鬼籍に入られて悲しくなる。
そんな中、草笛光子さんはお元気で。次にこの作品を見る機会がある時も、お元気だろう。だって草笛さんだもの。
きっと大丈夫。
(すきなシーン)
・金田一さんと女中さんにうどんを奢るシーン。
・静馬の女性に対して振る舞いが紳士なところ。
・スケキヨさんがムロツヨシさんに見えてくるところ。