さすらいの旅人

高校三年生のさすらいの旅人のレビュー・感想・評価

高校三年生(1963年製作の映画)
3.2
芸能生活60周年の舟木一夫デビュー映画。
【CATV/チャンネルNECO/放送録画視聴/シネスコサイズ】

ご存知舟木一夫のデビュー曲であり、その歌謡映画である。
当時は歌謡曲のヒット曲があればほとんど歌謡映画を作っていたようだ。映画会社が自社製作配給するプログラム・ピクチャーの一本だ。本作は製作会社が日活と思っていたら大映(現KADOKAWA)だった。舟木は後に日活の大スターになる。

ただ、舟木一夫は主演ではなく助演男優と言う位置づけだ。主演は姿美千子と「ザ・ガードマン」で有名な倉石功だ。ファンには失礼ながら姿美千子については全く知らない。私の知っている青春スター女優は吉永小百合あたりからだ。

前置きが長くなったが、本作は今でいうキラキラ系学園ドラマではない。家柄や学歴の格差による差別が原因のホームドラマ仕立てだ。そして、先生との恋愛や性の問題が組み込まれる。今でも学園ドラマに好まれる題材であるが、大人びた高校生の姿だけは今とは全く異なる。当然金髪や茶髪生徒はいない。
歌謡映画であるので冒頭とラストに題名の曲が流れる。途中に別の歌も一曲あり。

映画的に見所がある作品ではないが、当時の社会風俗を知るにはよい作品だ。面白いのは学校や会社に乗り込むモンスターおばあちゃんがいた事。現在のモンスターペアレンツみたいなものだ。あと、若き日の堺正章がちょい役で出演していたのには驚いた。