ハレルヤ

暴走パニック 大激突のハレルヤのレビュー・感想・評価

暴走パニック 大激突(1976年製作の映画)
3.8
バーテンダーをしながら相棒の関光男と共に銀行強盗を繰り返す山中。ある日神戸で実行した強盗の際に光男が逃走中に事故死。彼の兄から慰謝料として脅迫を受けたり、執拗に追ってくる警察から必死で逃れる山中の姿を描いたアクション映画。

「仁義なき戦い」シリーズが一区切りついた当時の深作欣二監督が渡瀬恒彦を主演に迎えた作品。タイトルの通り、今の日本では実現不可能レベルの荒々しいカーアクションが炸裂する内容です。

ストーリー自体も粗だらけで、どこから突っ込んだらいいか分からないレベル。80分という短い時間でも「このシーンいるか?」と思う無駄がちょいちょい。でもそのストーリーを補うようにアクションの凄みは生の迫力に徹したもの。

とにかくありとあらゆるものを蹴散らして、激突して破壊の限りを尽くす昭和の日本映画だからこそ出来る事を詰め込んだ形。銀行強盗やカーチェイスシーンで多用される手持ちカメラの手ブレ感もリアル。

そしてクライマックスの激突爆発破壊の何でもアリのやりたい放題はもう笑いが出てしまうほど。主人公たちのみならず、警察、巻き込まれた一般人、報道陣など多くの人が入り乱れたグチャグチャっぷりは色んな意味で見応えあると思います。

そんなカオスを潜り抜けた締めは意外とあっさり。渡瀬恒彦自身がスタント無しで自ら挑んだカーアクションも見所。何やかんやでそれなりに楽しめた作品でした。
ハレルヤ

ハレルヤ