萩原くわがた

人間革命の萩原くわがたのレビュー・感想・評価

人間革命(1973年製作の映画)
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創価学会という宗教の設立のお話で監督も団体の人(学会員といいます)で、現在ソフトは学会員の方しか購入できないそうなんですけど、何故か見ることができました。やったぁ!

本作はもう、とにかく主演の丹波哲郎が凄いんです。創価学会を設立する奮闘ぶりと、宗教に対する弾圧への辛抱。そして布教の様子が描かれるんですけど、その中でクールで知的な姿、尊敬する人に忠誠を尽くす姿、悲しみに暮れて半狂乱になる姿、一心不乱に法華経を模索する姿、多数の生徒達に指導を行う姿…喜怒哀楽、丹波哲郎の感情全てを全てを余すところなく堪能できてしまう凄い作品。
もう後半の丹波哲郎は本当にすごいハイテンションで、エンドロールが流れる直前まで腹から声を出して十界論の教えを説く。迫力、迫力、大迫力!!
音楽は東映特撮でお馴染み伊福部昭の荘厳なサウンド。キャストは渡哲也に黒沢年雄に大竹しのぶにと大盤振る舞い名演合戦。仲代達也のアクションシーンなんてのもあるのだから凄い。
カメラワークも非常に凝られており、ワンカットワンカットが動的芸術性を生んでいる。
映画はドキュメンタリーパートの後に十界論解説パートがあり、後半は「おっ、宗教映画らしくなってきたな」といった感じで雰囲気がガラッと変わるが丹波哲郎の猛進は止まらず、演技のボルテージは狂気的とも言えるほどに上がり続ける。
そしてラストもラスト、最後の瞬間、革命は起こる。なんと豪華で、なんと奇妙な体験だったのだろう。
人間革命、見る機会がもしあるなら、逃す手はない。