よしおか

KOTOKOのよしおかのネタバレレビュー・内容・結末

KOTOKO(2011年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

「ちゃんとできない」と泣く姿があまりにも痛ましくて辛かった。綺麗すぎないカメラワークと過敏に聞こえる音が不安定さを際立てていて、良い意味で見ている側にストレスを与える。幼い息子といる時本当に楽しそうで、パニックになった時も息子を守ろうとした時で 大事で愛してるのに離れなきゃいけないのは辛いことだな。感情移入するタイプなので琴子側の考えになっちゃうけどまぁ、私も周りの人間だったら離れて暮らすことを提案するだろうな。

1人で暮らす家の中にはベビーベッドが置いてあって、でも離れて暮らす大二郎はもう大きくなってそんなのいらなくて、それが辛かった。見ている最中休むことなく心がざわつく映画だった。
リストカットして血まみれになって、そんな中でも柔らかい声で「それ赤ちゃんのだからダメ」って言うシーン、すごく大二郎のこと大事にしてるの伝わる。

ショッキングなニュースばかり目に入ってきちゃうのとか線を引くだけでも精神状態が現れるのとか 子供に限らず、大事な人が自分の知らないところで傷ついたり死んだりするのは怖いことだと思う。その恐怖が行きすぎてもういっそ自分が…となってしまうのも。弱ってる人間の描写がリアルだった。落ち込んでる時に見てしまったらダメになっちゃいそう。

私にとって唯一の救いになったのは、大きくなった大二郎が机の上をこっこっこっこっこって指で歩いて近づくところ。大二郎が小さい時に琴子が同じことしてたシーンがあって、ちゃんと琴子の愛は伝わってたんだと。それだけで少しだけ体が軽くなった。