のすけ

絞殺ののすけのレビュー・感想・評価

絞殺(1979年製作の映画)
3.6
かなり前の作品だが観入ってしまった。
実際にあった「開成高校生殺人事件」をもとにしているらしい。
手をつけられなくなって暴れる息子に命の危険を感じた両親がついに息子を殺す決断をする。

おかしくなっていく家族。
いや、最初からおかしかったのかもしれない。

マザコンなのか…母の異常な息子愛。
進学校の異常な環境に、父の歪んだ思考。
近所の無表情の輩たち。
愛する人に対する息子の異常さ、執念。
…環境がもたらした顛末なのか、それとも。

愛する人を犯す義父と愛する自分の母と交わる自分の父を重ね母を奪い返そうとする息子…
殴られても息子に寄り添い続け、息子への異常な愛し方をやめない母。
死んだ息子のベッドで自慰行為をする母を犯す父…
…皆どうかしているが、過去も現在もどこかにはこういった歪んだ家族が存在していたりするのかもしれない。

実際の事件を調べたら、若干映画とは異なる点があり、息子の暴力ももっと凄まじかったのが分かる。