映画監督と彼が演出する作品の主演女優。恋仲のこの若い二人を主人公に「麻薬」の存在が密接に関わったストーリーは淡々と進みながらもどこかに不穏さが漂う
かつての恋人を死に追いやった元凶であるヘロイン。その「怖さ」を観客に伝えるべく実体験に基づいた映画を撮るための資金提供の交換条件として(ヘロインの)運び屋をやらされたうえに、映画の主演に抜擢した新しい恋人が役作りのプレッシャーによりヘロインに溺れていくという皮肉な展開からはショービジネス界の裏側が垣間見える
エンディングがいささか唐突に思えたが、他に選択肢はなかったのだろうか。作品の出来自体は悪くなかっただけにちょっと残念だ
(2023-47)