砂利川権兵衛

ソナチネの砂利川権兵衛のレビュー・感想・評価

ソナチネ(1993年製作の映画)
4.4
多分10年ぶりくらいの再観賞。エレベーターの流れ弾死亡ニキがヤバい。そんな狭い所で撃ち合うな。跳弾したらどうすんだ。武の思考と感情が理解不能過ぎてほとんど恐怖映画を観てるような気分になるし、笑いと暴力の温度差が凄くて頭がパーンしそうになった。こんな完璧にして最高な作品はそうそうない。

武が国舞亜矢の旦那を撃ち殺すシーン、銃を抜くモーションも発砲する瞬間も全てフレームの外で描かれており、「見せない」演出の切れ味に感動すら覚えた。暗闇の中に一瞬だけ光が走るクライマックスの銃撃戦もそう。直接的な表現でビビらせるだけが暴力描写じゃない。隠すことで増幅される恐怖もある。