このレビューはネタバレを含みます
たけし月間5本目
たけしのことかなり好きになってきた
たけしってあんまり演技しない(?)イメージだったけどこれめっちゃ演技してたな
いや~ 最後死ぬってことはわかってたけどそういうことか・・・
浜辺に殺し屋がくるところとか、エレベーターのところとか、夕焼けの死体遺棄とか
びっくりするような名シーンがいくつもあってすごい
中盤に浜辺で女の子に語った話がキーだね
「死ぬのも殺すのも怖くないんでしょう?」と聞かれて
「怖いから鉄砲持ってるんだ。死ぬのは怖くないけど、死ぬのを怖がると死にたくなっちゃうんだ」と。
主人公は序盤から徹底的に人の死に無頓着だったよね
その象徴か、バイオレンスが淡々と描かれる
主人公は人を殺すのも自分が死ぬのもなんとも思ってない
たぶん初めての殺人として父を殺したときからずっとそうだったんじゃないかな
劇中で人を殺すときも自分が死にそうになった時も、全然気にしてない
その極めつけが最後の突撃だよね
で、それが終わってあのビーチに戻るときに、
主人公は生まれて初めて(か、初の殺人以後初めて)
死ぬのが怖いと思った
同時にあの女の子を失いたくないと思った(復讐の巻き添えにしたくない)
だから死にたくなったし、死ぬしかないと思って自決したってことなんだろな~
見終わったあとスピッツの『青い車』を思い出した
「君の青い車で海へ行こう 置いてきた何かを見に行こう
もう何も恐れないよ
そして輪廻の果てへ飛び降りよう 終わりなき夢に落ちていこう
いま変わっていくよ」
青い車で海へ行って自決するというシナリオはよく似ている
(ちなみにこの映画は1993年、青い車は1994年らしい)
でも恐れへの視点が真逆だなあとも思った
ソナチネ 何も怖くない→最後に恐れを知る
スピッツ 何かを恐れていた→もう何も怖くないよ
比べると面白いね
てかwikipediaみて知ったけど仮のタイトルが「沖縄ピエロ」だったの気狂いピエロすぎる