オジサン

幽★遊★白書 冥界死闘篇 炎の絆のオジサンのレビュー・感想・評価

5.0
なんかちょっと昔のアニメの本気というか、凄さを勝手に私が感じ取った丁寧な作品という印象です。

子供の頃にまだDVDとかが珍しいもの寄りな時代にレンタルショップでこの映画のビデオを借りて視聴したことあるのですが、その時は良くも悪くも印象にあまり残らない地味というと言い過ぎな気もしますがそういう作品でした。

ただ、大人になってなんというか客観的な視点で物事を捉えられるようになると、普通にこのアニメ映画って物凄い丁寧な作品なんだということに気付かされます。

子供の頃に兄貴の持ってた幽☆遊☆白書の原作で仙水編とかを読んでいたその当時の私にはなんだかこの映画はちょっと緩いというと格好付けすぎていて、要するに中二病感が足りなかったのですが、本当に物語の構成としてお手本のような作品だと思います。

敵キャラクターとなる冥界の王の手下たちと幽☆遊☆白書のレギュラーキャラクターたちの因縁みたいなものだとか、それによって一対一で繰り広げられる終盤を否が応でも盛り上げていく決闘のような形式でのそれぞれの闘い、キーアイテムはヒロインが持っていて、本作品オリジナルのゲストキャラクターもヒロインを兼任。

そしてそれを補佐するのが、びっくりするくらいヌルヌル動くキャラクターに劇場版なので当然ですが絵面や画角が変な表現ですが映画してると思いますし、街の建物や神社や公園がなんていうのでしょうか、しっかりそこに存在しているというか立体感というのがあるようにも思えてきます。

そして一番感嘆したのは、盛り上げるところはちゃんとそれに相応しいBGMが流れるのですが、結構この映画は漫画原作のアニメ映画なのに無音というか、SEだとか登場人物の台詞とかはあるのですがBGMが流れず、格好付けて表現すると趣がとてもある作品ということですね。

同時期のジャンプ黄金期の筆頭であるドラゴンボールのアニメではドラゴンボールZですかね、この映画が公開された1994年はブロリーが再登場して青年になった孫悟飯と戦う作品ですが、映画そのものの尺も違うし配給も東映ではなく東宝というなんか調べたらフジテレビ開局45周年記念作品だったようでして、それはクオリティーが違うし気合い入ってて面白いわけだと納得しました。

私は桑原和真が一番好きなキャラクターです。
主人公の浦飯幽助と同じく不良の癖に一番情に厚く、優しさもあって、私的に一番人間臭い良い奴が桑原だと思ってます。

時期的には原作漫画は終盤の魔界統一トーナメント編とかに入っていて、アニメでは私が原作でよく読んでた仙水編くらいの一番脂がのった時期かもしれません。

とにかく、前述した趣があるという側面と王道のジャンプ漫画してるこの映画は丁寧過ぎるくらいあって面白かったです。
アニメにそんな詳しいわけではないのですが、なんか昔のアニメ凄いなと感激したので星5つ。

ただ、主題歌はジェネレーションギャップなのかとても爽やかだと思いますが音楽あまり聴かないのもあって、よく判りませんでした。
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