かさい

アイズ ワイド シャットのかさいのネタバレレビュー・内容・結末

アイズ ワイド シャット(1999年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

「アイズ・ワイド・シャット」は直訳だと、目を大きく閉じる。意訳だと、(見えないように)目を強く閉じる、あたりだろうか。
知人のクリスマスパーティーの翌晩に、主人公は妻から性的な告白をされる。それから、妻が見知らぬ男に抱かれる映像が目にチラつくようになる。その映像が浮かぶタイミングがおもしろい。夜寝ている時や白昼夢ではなく、ふとぼんやりと目を開いている時なのだ。
妻の非現実的で性的な映像が目に映るようになると、主人公の行動も非現実的で性的なものになっていく。婚約者のある女性とのキス、娼婦を買おうとする、乱行パーティーに飛び込む、など。
乱行パーティーから戻った翌日も、妻の痴態が目に映る主人公は迷走する。目を強く閉じて何も見なかったことにすれば、全てなかったことになるのに。
最後まで目を閉じなかった主人公は、妻に全てを告白する。これに対して妻は「ファックする」ことで解決すると告げる。目を閉じるか閉じないかではなく、現実の妻を見るという第3の選択で話は解決する。意味ありげな種々の事件が、夫婦のただのセックスレスとして回収されるのが痛快でおもしろい。
主人公が迷走する3日目の場面は、主人公が懊悩している感じがあればよかった。ただの意地でも目を閉じない男になっており、作品の構造がわかりやすくなりすぎていた。さすがトム・クルーズ。
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