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アイズ ワイド シャットのEyesworthのレビュー・感想・評価

アイズ ワイド シャット(1999年製作の映画)
5.0
【キューブリックの遺作且つ最高傑作】

スタンリー・キューブリック監督が1999年に監督を務めた最後の作品。主演はトム・クルーズ&ニコール・キッドマン夫妻。

〈あらすじ〉
裕福な医師ビルは、ある晩、妻アリス(ニコール・キッドマン)から他の男に惹かれたことがあるという告白を受けて動揺する。気分が落ち着かぬまま夜の街をさまよっていた彼は、ある秘密の集会に関する話を友人から聞き、やがてその禁断の世界に没入していく。

〈所感〉
20世紀の終わりにキューブリックが最後に遺したキューブリック史上最高の耽美的フィルム。トム・クルーズとニコール・キッドマン夫妻(当時)がとにかく美しいのでそれだけで見る価値がある。そんな2人だが、なかなか会話も心もすれ違って上手くいってない。現実じゃなくて作中でね。そしてあの夜の仮面パーティの舞台へ。言ってみれば乱交パーティだが、厳かな雰囲気で宗教の儀式めいたことをやってるので、主人公と同じ感覚でなんだかすごいものを覗いてる気分になる。あのシーンは映画史上最高に狂っていて大好きだ。そして色々あったにもかかわらず、全てを締めくくるラストのニコール・キッドマンのセリフが素晴らしい。キューブリックの遺作にして様々な解釈が可能な後世に語り継がれるべき逸品をご覧あれ。官能的で耽美的で逸楽的で普段どう足掻いても為し得ない映像体験で絶頂の興奮に達するはずです。
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