冒頭のトイレシーンから何だか不思議な魅力に引き込まれて、最後まで食い入るように見入った。
あらすじのところにエロティシズムと書いてあったが、確かにこれでもか!っていうくらい様々に出てくるけど、あまりにも美しく完璧すぎてエロティシズムは感じなかった。
むしろ逆に、その嘘くさいまでに完璧に作り込まれた美しさ故に、次第にこれは現実の話ではないのではないか?と思った。
そう思いながら見てみると、妻の心の浮気の告白によって発露した夫の性的な願望や、それを抑え込もうとする道徳心や良心、猜疑心、妻の夢の告白という形で取る二重構造等々、自分の内に秘めた気持ちや葛藤、正当性を色んな登場人物を介して言わせてたのかな、と思った。
とすると、一体どこからが非現実(夢)だったのかと考えると、正直 曖昧模糊としていてはっきりとは分からない。
でも、そのもわもわと混沌に包まれてはっきりとしない感じが、惹き込まれる魅力なのかなと思った。
そして、最後に妻が語る言葉、そこに全てが集約されていると思った。