昭和作家のこれでもかという痴情物語
まずオープニングの音楽センスが個人的には気に入らず、音楽は期待できないと悟る。
プロローグのモノクロ風映像は良いと感じる。(主役が子供時代、その父と母の画)
ストーリー本筋に入ってからは何の感興も起こらない静観状態。しかし徐々に主役に対しいらだちが募る。彼の無節操さ、優柔不断さ、子供っぽさなどに対し。
女優二人の濡れ場ヌードに関しても特別綺麗だとか興奮するとかは無し。
一つギクッとしたのが緒方拳と原田美枝子のケンカシーン。緒方が原田を突き飛ばし思いっきり柱に顔がぶつかっているように見えこちらがヒヤリとする。視聴後に調べたら本当にやばかったようであの傷はどうやら本物。そのせいで撮影が数日中断になったとのこと。
総じて、ちょっとしたネガティブな感情喚起の他は強く印象に残った場面はなかったと言わざるを得ない。
いつまでも楽しいことを続けていられるわけがない。そんなセリフが二度ばかりあったようだが、自身にとってもひりひりする言葉となる。
総評2.5
当時は最善の演出であり音楽だったのだろうが、現代テイストでリメイクしたらなどと想像する。しかし、スタイリッシュでハイセンスではあっても本作よりもっと浅い表現になってしまうのが関の山かもしれないとも思えてくる。
002010