芹沢由紀子

火宅の人の芹沢由紀子のレビュー・感想・評価

火宅の人(1986年製作の映画)
3.2
緒形拳さんの映画を見るムーブがたまに起こる。
火宅の人っていうのは、仏教用語で「火宅」家の外側はごうごうと燃えているのに、それに気づかずのんきに家の中で遊んでいる様をたとえた言葉だとか。
それを「愛人と放浪したりして遊んでいるおじさん」と解釈した映画らしい。
原作者壇一雄がまさに火宅の人で、彼の自伝的小説をこれまた火宅の人である深作欣二監督が撮ったというね。2重構造の映画。
ちなみに後半の愛人である松坂慶子は深作欣二監督の公私ともの愛人。

私的には緒形拳さんの演技よりも、いしだあゆみの役に畏敬の念というか、女性は誰しもうならされるのではと思う。若い愛人「けいさん」の気持ちもとても分かるんだけど、彼女は若いから、素直にまっすぐに感情を男にぶつけられるだけまだ救われる。若いしね。

でも、5人も子供を育てて、家も守ってるのに、夫が火宅の人の場合、どんなアイデンティティーを保って生きていけばいいのだろうかな、そんなことばかり考えながらこの映画を見てしまった。
そして、安定のウィキの記事は面白かった。
またウィキに寄付しないと。ウィキに寄付するのってわずか3パーセントのユーザーのみらしいです。
芹沢由紀子

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