りょう

麗しのサブリナのりょうのレビュー・感想・評価

麗しのサブリナ(1954年製作の映画)
4.4
 30年以上前に観たときは、オードリー・ヘプバーンの主演作ではなく、ビリー・ワイルダー監督の作品として観ました。もちろん大好きで、大学生のころにVHSビデオで何回観たかわかりません。
 久しぶりに観ましたが、いつの間にかライナスよりも歳をとってしまい、サブリナの父親のような視点で観てしまったからか、妙に感動しました。こんなラブコメにいまさら…と思いましたが、やっぱりビリー・ワイルダー監督の脚本と演出がうま過ぎます。
 最初は全然そんな雰囲気ないのに、サブリナとライナスの微妙な関係がじわじわと実感できるし、ライナスもどこから本気なのかわからないところが、エンディングの爽快感につながります。ラストシーンだけなら、「アパートの鍵貸します」にも匹敵する名場面です。
 オードリー・ヘプバーンの魅力は、「ローマの休日」と甲乙つけがたいところですが、やっぱり天然キャラのアーニャがかわいいです。この2作品は、いまとなっては彼女の存在なしに成立しなかったとしか思えませんが、ほかの女優さんでも制作されたのでしょうか。ちょっと想像できません。
 “La Vie en rose”は、この作品ではじめて聴きました。サブリナとライナスのちょっと切ないシーンを彩っていますが、後半は作品の雰囲気を支配しています。とても印象的な楽曲です。
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