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麗しのサブリナのKExitのネタバレレビュー・内容・結末

麗しのサブリナ(1954年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

何度観ても、面白い!と思う映画。何故面白いのか、リメイク版サブリナ鑑賞後再度確認をして違いが分かった気がする。
まず1つが、ビリー・ワイルダー作品は必ず主人公を取り囲むキャラクターの色がしっかり出ている。脇役たちの心がしっかり描かれている。一番大きいのは父親の描写。「御曹司と娘を乗せて運転し、結婚式場で着替えるなんて嫌だ」「娘との外出の際には他の運転手を」と複雑な父としての心境がちゃんと描かれている。お手伝いさん達も、パーティの給仕を放ったらかしてサブリナを応援する。そんな生き生きとした描写で、こちらもワクワクしてくる。
次に、テンポの良さ。決して大事なことを蔑ろにしているのではなく、不要なところ(料理学校のシーンなど)はテンポよく笑える形に仕上げている。サブリナの手紙を読み上げるシーン、デイヴィッドが決め台詞を言ってライナスがタイミング良く扉を閉めるところシーン等、しっかりリズムが作られている。
それと、台詞や細かい演出の面白さ。ライナスがデイヴィッドとエリザベスの結婚を例える「ホットドッグ屋とカラシ屋の結婚じゃないんだから」とか、パリ帰りのサブリナがデイヴィッドに少しずつ正体を明かしていく際のなど素晴らしい台詞たくさん。演出もシャンパンコルクがサブリナの居る窓の方に当たったり、サブリナがライナスの計画を知った時の照明など。

一番最初に観たときは、主演俳優たちの魅力しか見えてなかったけど、見れば見るほどビリー・ワイルダーの凄さが分かる。
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