トランボが書いた小説を自身が初監督した作品ということで、遅ればせながらの鑑賞。反戦のメッセージよりも、尊厳死についての印象が大きかった。
砲弾により目・鼻・口・耳の機能と両腕・両足を切断されるジョー(ジョニーではない)。実験のために生かされ、死にたいとの願いも叶わない。唯一、心優しい看護師との意思疎通が慰めだった。
過去の出来事や幻想はカラーで、現実はモノクロで描かれる。グロい描写は一切なく、ジョーの心情に寄り添うことで描かれる戦争の悲惨さ、無意味さ、人間の恐ろしさ。尊厳とは?生きるとは?を考えさせられる傑作。