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JIMI HENDRIX ジミ・ヘンドリックスのxyuchanxのレビュー・感想・評価

3.2
jimi hendrix

アフリカ系黒人とアメリカ先住民の血をひき、ブルースと祖母ノラが語るチェロキー族の文化と、ボブ・ディランへの憧れに育まれた天才。

このドキュメンタリーでは一切触れられて居ないが、彼という存在を理解するうえでは、民族的ミクスチャーと、(南部ではなく)シアトル生まれである事、そして窃盗の罪を免れるために入った米軍での経験が大きく影響していると思う。

人の目をみて話せないヤツだった。
いつもどこか宙を眺めていた。

クラプトン、ザ・フ―、キース・リチャーズ、ジェフ・ベック・・・かの名手たちですら嫉妬するくらいの、彼だけの音楽があった。

僕もギター初心者のころに、彼の音楽からE7(#9)に魅せらたひとり。ワウとファズもね。エリック・クラプトンのクリーム、ジミー・ペイジのレッド・ツェッペリンとともに、ハードロックの源流となったギタリストでもあると思う。

多くの黒人ミュージシャンと違い、彼の世界的ブレイクは英国に渡った事が大きく作用しており、同年に開催された黒人音楽の伝説的フェス「ハーレム・カルチュラル・フェスティバル」ではなく、(基本的に白人ミュージシャン中心だった)ウッドストックにだけ出演した黒人アーティストである。

いっぽう、多くのトップミュージシャンたちがそうだったように、ファンとメディアの狂乱と、過密スケジュールと創作欲求の葛藤、酒、ドラッグ、セックスにまみれ・・・死亡時は27歳(かの27クラブ)。彼の才能が輝いた期間はメジャーデビューからわずか4年ほどだった。

1970年に彼が逝ってしまってから、もう50年以上。いまだに史上最高のロックギタリストと呼ばれることが多いのは、ギター経験者なら誰もが理解できることだろう。

・・・このドキュメンタリー自体は、関係者たちが取り留めもなく、彼との思い出を語り、演奏シーンが豊富な感じの、非常にざっくりしたものなので、前提知識がないひとにはオススメできないかなぁ。「JIMI:栄光への軌跡」のほうが入りやすそう。
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