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哀しみのトリスターナのleylaのレビュー・感想・評価

哀しみのトリスターナ(1970年製作の映画)
3.9
ブニュエル70歳の作品。

観ている時は全然面白いと思わなかったのに、見終わってからジワっと来る。

孤児となった16歳のトリスターナを没落貴族のロペが養女として育て、やがて成長するに従ってトリスターナを女として見始め束縛する。ロペに従順だったトリスターナだが、ある日、画家のオラーシオと出会い駆け落ちし、その後のトリスターナの展開が大胆すぎる…

最初はロペを「好色ジジィがキモイなぁ」と思っていたが、最後には気の毒になってしまった。視点が逆転する構成が面白い。

無垢な少女から冷徹な悪女へ。前半との落差が怖い。

主役のカトリーヌ・ドヌーブは当時26歳で16歳を演じていたけど、最後はもっと老けて見えていたからすごいなぁ。美しいです。

ショパンの革命のエチュードを片足で弾くシーンや、淡々とした演出の中に差し込むシュルレアリスム的なショット、サスペンスになったと思ったら、回想を早回ししていきなりサクっと終わらせるつくりなど最高に面白い。
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