キットカットガール

哀しみのトリスターナのキットカットガールのレビュー・感想・評価

哀しみのトリスターナ(1970年製作の映画)
3.0
 元々はメイドとか、そういう身分の女性が、年配の金持ちエロ親父の妻になってブルジョワジー化し、小間使いを雇う立場になる。良い暮らしが欲しい女と若い女が欲しい男、という利害関係の一致のもとでの結婚だから、空虚に見えるし、物質的な豊かさと若さという一時的で流動的なものの価値の薄っぺらさが顕在化している。人は誰もが、様々なものにしがみついて生きている。ただし、しがみついている対象や度合いは其々異なる。執着がエスカレートする人との違いは、環境等外的影響かもしれない。何を優先するのか。外では良い顔して家では自己中というような人もそうだ。価値観の問題である。そして、そこにこそ、その人の品格が現れる。