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三つ数えろのahddamsのレビュー・感想・評価

三つ数えろ(1946年製作の映画)
3.6
主演級から運転手やウェイトレスなどの脇役まで。登場する女の子のバリエーションがとにかく多い。
推理よりもBoggie氏のモテ男ぶりをそんなにアピールしたいのか。(因みに私は知性溢れるAgnesさんが好き)

脚本が良くできているなーと思っていたらちゃんと原作があったんやね。しかも人物描写が微妙に違うという。
確かにBoggie氏は小柄で顔もやたらと大きいけどその弱みを忘れさせてくれるくらい鬼気迫っていた。探偵と聞くと静かに、時にはド派手に事件を解決するイメージだが彼に関しては刑事も顔負けの迫力で犯人も思わず黙り込んでいた笑 あの口の割らせ方や説き伏せ方は悪役にも通じると思う。
(また劇中で『カサブランカ』(1942年)を思わせるトレンチコートに中折れ帽スタイルが登場するが、あれはファンサービスの一つなんだろうか)

お姉さん役のLauren Becallさんは大根役者と批評されていたらしく本作でその汚名を返上したらしい。それ以前の出演作を今まで観たことがなく、彼女がどんな役者だったのかは分からない。
どの場面も魅力的な彼女だったけど煙草の火を主人公から貰う場面なんか怪しいながらも気高さすら感じた。
あのハスキーボイスで歌う場面もお気に入り。

飲み込みの悪い私には人物相関図が脳内で繋がらなかったり、事件の経緯を巻き戻さなあかんかったりと難しい構成だった。(もしかすると未だに理解しきれていないかもしれない…)
『カサブランカ』同様、女性を付かず離れずの距離で支えるBoggie氏のスタイルが本作でも感じられた。
探偵という職業柄か女性にはすぐ手を出さない代わり、Agnesさんを優しく逃がしたり、(色々と面倒の多い)姉妹を苦しませた犯人に容赦なく銃口を向けたりと男らしいところもちらほら。
話よりも女性たちに目が行ってしまったがどちらにしろ良い刺激になった。
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