サスペンスらしい複雑なプロットで、物語に与えられる渋みと時々挟まれる恋愛要素がなんとも言えないバランス。
ただ、如何せん登場人物が多く概要を掴むまでに苦労した。幾つも同時進行で事件が起きるものだから、これ何だっけな?と頭が混乱気味になる。
邦題、「三つ数えろ」は、正解だなあ。作中で幾つか出てくるこのワード。最後にはこのセリフで幕を閉じるもんだから、やはり印象深いシーンとして刷り込まれてしまう。
主演ハンフリーボガートのハードボイルドさと、ローレンバコールの美しさ。執拗にベタベタすることなく、距離を保った大人な恋愛はブラックコーヒーのようにほろ苦い。渋さが好みな人ならばストーリーに満足行くのだろうが、がきんちょな私には少し苦すぎたようだ。出直してきます。