アンダーカヴァーの夢里村のレビュー・感想・評価

カメラに映さない/映らないものたち、顔を隠すカーテンやランプがそれを予感させる。見えない、雨の中のカーアクションや背の高い植物と煙に阻まれた追走劇が怖すぎる。視点の定まらなさは人物たちに伝染し、麻薬工場の不安を煽り、ホアキンは窓ガラスをぶち破って落下することになる。
カーアクションのシーンがすごいのは、逃げているはずのホアキンが殺し屋たちの車を追うように走っていること。道を逸らすことができず、自ら父の死という物語の目撃へと走る絶望。