Maoryu002

スタンドアップのMaoryu002のレビュー・感想・評価

スタンドアップ(2005年製作の映画)
4.3
夫の虐待から逃れ、2人の子供を連れて故郷ミネソタに戻ったジョージー(シャーリーズ・セロン)は、自立のために鉱山で働き始める。しかし、そこは古い男社会で、女性たちは執拗なセクハラを受けていた。ジョージーは訴訟を起こすことを決めるが、次第に孤立し追い込まれてしまう。

「マクファーランド 栄光への疾走」「ユダヤ人を救った動物園 〜アントニーナが愛した命〜」のニキ・カーロ監督の持ち味が最も活かされた良作だ。
シャーリーズ・セロンが超熱演で、後の「スキャンダル」にも繋がる強いメッセージを全身で見せている。どこか「ノーマ・レイ」「プレイス・イン・ザ・ハート」のサリー・フィールドの熱量を継いでいるような気がしたなー。

10分に1回は必ず憤る胸糞展開で、現代目線で観るとあまりに極端で露骨なんだけど、あれが現実だったんだろう。その分、終盤の感動には劇涙だ!
途中、父親の心変わりはあっさりすぎたけど、彼が演壇に上がる場面とか、長男との会話とか、家族の大切さをしみじみ感じてしまった。

最後は、ジェレミー・レナー演じる最低男が急に目覚めたり、病人を引っ張り出して来たりと力技に走った感はあった。だったら、ついでに法廷でけちょんけちょんに会社をやっつけるところも観たかったな。

女性のための映画ということで、フランシス・マクドーマンドもシシー・スペイセクもミシェル・モナハンも良かったけど、父親役のリチャード・ジェンキンスがとても印象的。
自分の中では「さよなら、私のロンリー」の変人イメージが強いけど、友人や会社というコミュニティを捨てて、娘を受け入れる姿は感動的!
ついでに、珍しくショーン・ビーンがめっちゃいい男だった。
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