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20世紀ノスタルジアのfmのネタバレレビュー・内容・結末

20世紀ノスタルジア(1997年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

オールタイムワースト10に入るつまらなさ。
若かりし頃の広末涼子が観たくて劇場に行ったのだが、映像がとにかく黄ばんでいる。
で、ハンディカム(自撮り)になると青ばむ。
黄ばみか青ばみのみ、いやいや、ちゃんとした色調で広末を映せよ。
画質そのものも悪い。

一応制服姿や屋形船の仕事着の広末は観れるのだが、同時にヤング小藪って感じの棒読み男も視界に入るので不快指数MAX。
チュンセだのポウセだのうるせーんだよ。
男のナレーション全部いらない。

一応ゴダールとか宮沢賢治を志向しているようなのだが、観るべきものはない。
東京の風景もただ汚いため、ノスタルジーを掻き立てられるわけでもない。
角川映画にて「原田知世をかわいく撮る。尾道を美しく撮る」というミッションを成功させた大林宣彦の偉大さがよくわかった。

一番キツかったのは監督自作の曲。
おもちゃのキーボードに予めセットされてる曲をそのまま流してる感じ。
いやそれ以下か。
かわいい広末を観たいという欲求よりも、糞みたいな曲流すなという悪感情の方が勝る。
映画を嫌いにさせるためのルドヴィコ療法みたいな作品だった。

余談。
上映後、原将人監督とメイキングを担当した犬童一心監督によるリモートトークショーが実施された。

・世界初の自撮り映画
・最初に歌を作って、のちに映画の企画を考えた
・セリフはほとんどアドリブ
・広末は200人から選ばれた
・広末は運動神経が良い(注:高知県で走り高跳びをやっていたため。広末ファンなら誰でも知っているトリビア)
・広末はカメラを向けられても嫌がらない。積極的に映ろうとする
・広末はしっかりした人なので納得できないことはやらない(ウソ泣きはできない)
・ラスト付近に出てくる双子は原監督の実子(らしいのだが、キューピー人形じゃなかったっけ?)

主にこういった内容。
出来の良し悪しについては一切語られず、やたらと広末の運動能力の高さを褒めていた。
犬童監督は話が上手いなと思ったし、彼が撮ったメイキングの方がはるかに見所がある。

そもそも原監督の実験作(役者が自撮りして作品を作るという試み)のため、広末ありきで作られた映画じゃないのが、失敗の要因だったのだと思う。
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