青空市

我等の生涯の最良の年の青空市のレビュー・感想・評価

我等の生涯の最良の年(1946年製作の映画)
4.9
我が生涯最高の一本の一つ⭐️
ウィリアムワイラー作品はどれも好き❤️

人間ドラマにグッとくる。一番刺さったのは、テレサライトが「パパとママには恋愛に複雑な背景なんかなかった(戦争も不倫の葛藤も知らず)から、私の気持ちなんかわからない」と言い放った時の両親のリアクションだった。母が淡々と、人間そんな簡単に割り切れるものじゃないと諭すような切り返しをして、娘がすぐ意図を汲み取った場面などが深い。
既婚の男にどうしようもなく惹かれる娘にジンとした。
銀行員の父親、元パイロットの男、義手の男と、主人公三人にも深く共感したし。
蓮っ葉なヴァージニアメイヨもそれなりに良い立ち位置だった。
同じ戦争体験者なのに前線にいた元兵士と銃後にいた家族が分かり合えなかったエピソードは、日本でもあったようだ。

戦争がすぐ隣にあった時代の映画。
この生々しさは同時代の人にしか醸し出せなかったと思う。
市井の人達の日常と現実がリアルに伝わり、自分の話か、地元の話のように入り込んで観ることができた。
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