・ジャンル
スラッシャー/ホラー/ボディスナッチ/ダークファンタジー
・あらすじ
警察による潜入作戦でおびき寄せられ一斉射撃と爆撃の餌食となった不死身の殺人鬼ジェイソン・ヴォーヒーズ
遺体はバラバラとなり完全に死んだものかと思われたが心臓はまだ生きていた
間も無くジェイソンの心臓は検視官フィルの体を乗っ取り助手や警備を殺害し失踪してしまう
そんな事は知る由もなくジェイソンの死に沸き立つクリスタル湖の住民達
地元のダイナーでは特別メニューやセールまで行われる程だった
一方、ジェイソン生存を主張する男が1人いた
彼の名はクレイトン・デューク、名うての賞金稼ぎである
同時に彼は自分のみがジェイソンを殺す方法を知っていると語る
そして特集番組の司会者ロバートは自ら金を出しクレイトンにある依頼を出す
それは生存と死なせた証拠の提示を条件としたジェイソン討伐だった
クレイトンは討伐の為に現地へ赴き地元のウェイトレス、ダイアナに接触し協力を求めるのだがそこには秘められた彼女とジェイソンの関係が理由としてあった
依頼を拒絶したダイアナだったが彼女は間も無くジェイソンに乗っ取られた知人の保安官ジョシュにより殺害
その場に居合わせたダイアナの娘ジェシカの元夫スティーヴンに容疑が掛かってしまう
彼は留置場でクレイトンに出会い全てを明かされると共に脱走
元妻ジェシカを守るべく奔走するが…
・感想
不死身の殺人鬼ジェイソン・ヴォーヒーズを描くシリーズ9作目
本作は過去作と打って変わってジェイソンを死んでも他者の体を乗っ取り復活する存在として描いたボディスナッチ系ホラー作品となっている
発想や展開は面白いしゴア描写もシリーズ随一の過激さ
特にボディスナッチの犠牲者ジョシュが解放された後の死にゆく姿は最高に気持ち悪いし、殺害描写もしっかりとグロい
中でもダイナーの殺戮は素晴らしく残虐で良かった
演出面でも音楽を削ぎ落とした導入部や目まぐるしい場所の変化、ジェシカ達一族の持つ能力やダークファンタジー性、登場人物達の戦闘能力の高さなど飽きさせない要素もたっぷり
そしてラストには後のスピンオフ作品「フレディVSジェイソン」を予期させる描写まで…
まぁどうやってNYから戻ったんだよっていうそもそものアレはあるんだけどw
そんな感じで全体的には楽しい仕上がりになっているんだけど一方で主人公スティーヴンとジェシカの飲み込みが早過ぎたり、賞金稼ぎクレイトンがジェイソンの殺し方をどう突き止めたのかが明かされなかったり、ジェイソンを怪物化させた要因がフワッとしか描かれていなかったりと雑な要素も目立ちそこは勿体なかった
せっかく設定や主要人物のキャラクター造形が良かっただけにそれぞれをより活躍させてもっと緻密に組み立てていれば普通に名作たり得たんじゃないかなぁ…
スティーヴンの親友であるランディ巡査の扱いの雑さはコント的で面白かったしダイナーの女主人ジョーイも肝っ玉母さんなナイスキャラで良かったけどw
あとはジェイソンの本体が良い感じのクリーチャーだったのでもっとビジュアルをしっかり見せて欲しかった…
次はいよいよオリジナルシリーズ完結編である10作目「ジェイソンX」
良くも悪くもぶっ飛んだ設定の迷作なのは過去に鑑賞済みなので知っているけど有名な液体窒素顔面破壊のシーンが凄く好きなので楽しみ