垂直落下式サミング

13日の金曜日/ジェイソンの命日の垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

3.8
物語の冒頭、シャワーを浴びようと服を脱いで観客にヌードを晒した美女を殺そうと、逃げる女を追いかけていくジェイソン。だが、彼女は特殊部隊が用意した囮であり、まんまと完全武装した特殊部隊の前に誘き出されてしまう。ここでシリーズのお約束は崩壊。爆弾により木っ端微塵になって、いきなりジェイソンがやられてしまう。さてどうなる。人気ホラーシリーズの第九作目。
本作からアメリカンホラーの名家であるニューラインシネマに制作が移っており、雰囲気もだいぶ変わっている。
クリスタルレイクのご当地ゆるキャラだったジェイソン、前作でニューヨークにその怪物性を認知されたためか、ついに国が退治に乗り出すほどの大物に。ホッケーマスクを型どったジェイソンバーガーなどキャラクター商品も充実している人気者だ。
ついに国家VSジェイソンが描かれ、さしもの不死者も特殊部隊の集中砲火には、とどめの迫撃砲によって遂に木っ端微塵に吹き飛ぶ。その後、不死身の身体の謎を解き明かすべく、彼の死体は政府の研究所に運ばれるのだが、肉体が死んでなおも動き続けるジェイソンの心臓は、他人の体を操り一時的な復活を遂げるのである。だが、自身を完全に復活させられるのは血の馴染む肉体だけであるため、ジェイソンは腹違いの妹とその家族を狙って行動を開始する。
やや近代的なアクションに傾倒しながらも、ストーリー設定にオカルトとSFを取り入れたことにより、被害者が被害者となるための明確なロジックがあるようにみえるが、色ボケ殺し暴力道中もしっかりと描かれるため、やっていることはあまりかわらない。
ジェイソンの専門家だという胡散臭いジェイソンハンターが出てくるが、これも取って付けたようで、ストーリーとしてより胡散臭いことになっている。
ホッケーマスクの大男というヴィジュアルがあまり画面に映らないため、サービス減のポスター詐欺感はあるが、彼の不死身の謎に言及することで新機軸を見出だそうとした心意気を称賛したい。
ジェイソンの隠された出生の秘密のほか、彼の身長・体重などの公式設定が明かされる。アイドルの規定体重を40キロ近くオーバーしているわがままボディに萌え狂え!