Watta

スリーパーズのWattaのレビュー・感想・評価

スリーパーズ(1996年製作の映画)
3.8
最初の舞台は1967年の夏。マンハッタン西地区に位置するヘルズキッチンで仲良し4人組の少年は事件を起こす。被害者は一命を取り留めたものの、4人は揃って少年院へ。少年院での生活は長くて1年半。反省して出所すれば良いだろうと考えていたところ、ある出来事が彼らの人生を大きく変える。
少年院あがりの者“スリーパーズ”が掲げる復讐計画の幕が上がる。

サスペンス&法廷ものという私好みのジャンルでした。裁判中の原告、被告同士のやり取りのテンポが良く、見応えも良し。小児性愛のトピックは非常にセンシティブで、被害者の身体的・精神的な傷が完全に癒えることはないのだろうと感じました。
だからこそ、善悪でいえば絶対に悪ではあるものの、トマス、ジョン、ロレンゾ、マイケルがやったことには同情しましたし、清廉潔白たるべき神父のボビーの決断にもどこか納得し、見てみぬフリをしたくなるような気持ちになりました。

ハッピーエンドではないものの、4人の計画が成し遂げられた点においては、4人にとっては幸ある結末なのかなと思います。
この話が実話とされている一方で、ニューヨークの公的機関がそれを認めていない点に大きな闇を感じます。
“ダークサイドオブスタンドバイミー”のような一作。現在日本でも問題となっているテーマだからこそ観ておきたい。
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