世界中で愛されている絵本『かいじゅうたちのいるところ』の実写化映画。
荒涼としたかいじゅうじまの風景や陰鬱な住人達に、原作と比べると内省的な、大人目線のファンタジーという印象を受けます。でも同時に子供の頭の中をそのまま映像化したような、ピュアな寓話劇でもあって。
子供向けにするのならもっと和気あいあいと楽しい映画に、大人向けにするのならもっとえげつない世界観にしたり、過酷な試練を用意しても良かったのかな。
一見可愛らしい皮を被ってその実メランコリーがたゆたう雰囲気は、スパイク・ジョーンズ監督らしくてとても好きです。かいじゅうたちのビジュアルもそのまま絵本から飛び出てきたようで良かった。