はる

レクイエム・フォー・ドリームのはるのレビュー・感想・評価

4.1
孤独に、薬に、堕ちていく様が恐ろしい。
刺さったナイフがどんどん奥にめり込んでいって、ラストにかけて致命傷になっていく、みたいな映画。
独特な音楽とカメラワークだったが、ストーリーは恐ろしく自然でリアル。観た後放心状態。
成功や見栄えの良さが栄光であり、幸福であると信じ込んだ人たちが、孤独な現実を変えようともがいてもがいて堕ちていく。
ないものねだりみたいなところもある。絶対に最初は幸せだと言えた。八つ当たりしながらも母を想う息子がいて、親孝行したいと思える大切な母親がいて、心の拠り所となる友達も恋人もいた。人間は誰かと居ても孤独感からは逃れられない。孤独の中にも幸せがあることに気づきもせず、自滅していく。とても人間味のある映画だった。
はる

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