てつこてつ

らせんのてつこてつのレビュー・感想・評価

らせん(1998年製作の映画)
3.2
「リング」の後日談に当たるので、中田秀夫監督の「リング」を事前に鑑賞しておく事は必須。前作のメインキャストである真田広之がオープニングから、かなりインパクトある形で登場をするし、重要なシーンでも度々登場する。

ちなみにハリウッドリメイク版の「リング2」とは話の内容は全く異なり、この「らせん」は鈴木光司の吉川英治文学新人賞受賞の同名小説の映画化となる。

ぶっちゃけ、この作品、「リング」のようなショッキングなホラー要素を期待すると大いに肩透かしを食らう。人が死ぬシーンは殆ど登場しないし、その見せ方も全く怖くはない。

但し、文学賞受賞作品の映像化だけあって、ストーリーはしっかりしていて、貞子の呪いを、より医学的見地から見たウィルスに置き換えて、主人公の心の闇である息子への思いを上手く絡めるなど、筋書き自体は面白い。

何と言っても、今回の主役となる監察医を演じた、当時、役者としての肪が乗りに乗っている佐藤浩市、真田広之、一人二役をこなす中谷美紀といった実力者が集結しているので、それなりに見応えはある。特に、中盤以降の中谷美紀が醸し出す妖艶な美しさには魅了されてしまう。

でも、やっぱりホラー映画ではなく、どちらかと言えば、文学的要素の高いミステリー作品。
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