ごっちん

奇跡のごっちんのレビュー・感想・評価

奇跡(2011年製作の映画)
5.0
その場所・その瞬間に願い事をすれば「奇跡が起きる」という噂を元に、子供たちが電車に乗り小さな冒険に出かける、是枝監督版「スタンド・バイ・ミー」。

物語中盤、それぞれの子供たちが「夢」を語り合うシーンがあるんだけど、インタビュー風に撮影する事により、子供たちの魅力が全力で引き出されていた。また、みんなの屈託の無い表情と言葉選びがとてもリアルすぎて、それがジワリと切ない。

それぞれの子供たちの「夢」は、日々の生活の微細な変化により上書きされていくのだが、その過程がまた感情を揺さぶる。「犬を生き返らせたい」って…、筆者も昔そんな心持ってたはずなんだけど、何処に置いてきちゃったんだろう…

主演のまえだまえだ兄弟が素晴らしい。さすがは漫才師。見事な掛け合い。そして安定のオダギリジョー。

リアリティーとファンタジーの間にある、子供の心の機微を繊細に捉えており、ハッキリと断言させてもらうと、これは「完璧な冒険映画」。

以下は駄文になるが、

7歳児に「まだサンタクロース信じてるの?」などと言うバカな大人がトップに立つ国には絶対に作れないだと思う。この映画は日本人の感性だからこそ生まれた作品であると思うし、日本映画の極みである。
ごっちん

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