あーちゃん

キッチンのあーちゃんのレビュー・感想・評価

キッチン(1989年製作の映画)
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広くて明るい部屋にたくさんの観葉植物、ぎゅうぎゅうに中身の詰まった冷蔵庫や美しい食器が並ぶ快適なキッチン、そしてそこに集う柔らかな人々、なんと理想的な家なのだろう
満ち足りているはずの生活に時々顔を出す孤独さや窮屈さが素晴らしい語感で綴られている原作を殺さない、良い映画だった(ほんのちょっぴり現実から浮遊している雰囲気も)
わたしはひとりの部屋に響く冷蔵庫のぶーんという音で家主の不在を痛感する、ほんの少しの心地よさと恐ろしいくらいの空虚さを感じながら