隣に越してきた子はAIDS患者。偏見もない少年たちは親友に。ある日ニューオーリンズで治療法が開発されたとの報を聞き旅に出る。およそ難病ものの典型を出ない作だが、屈託のない少年の友情、ミシシッピ川をどんぶらこ下り、強くズルい大人を相手に揉まれる冒険の旅、そして懇切丁寧にフラグを立てての結末と、きちんと順を追って泣かせる完成度。美少年ブラッド・レンフロがイジメっ子を挑発しスーパーのカートで坂道を爆走したり、野草を呑ませて毒で救急搬送させる前半のくだりからヒヤリとさせる無鉄砲。無知で純粋だからこそ少年たちの友情の旅は残酷で美しい悲劇へ繋がる。早く病院に入れば多少長らえた命をあたら縮めたに過ぎないのか、それとも親友と一所懸命に楽しんだので短命でも良かったのか。他人には何も言えない。難病の末期患者はひたすら長らえるのが良いのか、太く短くが良いのか、考えさせる話でもあろう。
