きりん

マイ・フレンド・フォーエバーのきりんのレビュー・感想・評価

4.5
少年たちの友情と母親の愛情がたっぷり詰まったジュブナイル映画の名作。作品全体を包み込む優しい空気感が好き。

エリックの隣に引っ越してきたデクスターはHIVを患っていた。エリックはデクスターと仲を深める中で、HIVの治療法を探し始める。チョコレートバーを食べては失敗し、野山に生えている草を煎じては失敗し。ある時少年たちはニューオリンズで特効薬が見つかったというニュースを聞き、遠く長い冒険の旅が始まる。

「スタンドバイミー」のような少年時代の小旅行感も味わえる。

後半の場面はとにかく切なく儚い。お互いどこか最期が来ることを予感している空気感。でも限られた時間の中で彼らが深めた友情は本当に特別で濃密で。彼らを包み込むようなデクスターの母親の愛情もあたたかい。それらが全て合わさって映画全体の優しい空気感に繋がっているような気がしました。

また、結末としては悲しいものの、ラストが粋な終わり方にもなっているので、映画が終わった後も心がじんとし続けるのと同時にスッと受け入れられる気持ちよさも作品の魅力のひとつだと思いました。
きりん

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