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バッドボーイズのnoteのネタバレレビュー・内容・結末

バッドボーイズ(1995年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

犯罪都市マイアミ。ある夜、市警始まって以来の大胆不敵な窃盗事件が発生。警察内部に保管してあった1億ドル相当の押収ヘロインが跡形もなく消失した。内部調査班が動きだし、外部に洩れる前の解決が至上命題となった為、猶予は72時間しかない。

それまではCMで活躍していたマイケル・ベイの映画監督デビュー作。
マイアミ市警で働く2人の黒人刑事の活躍を描くバディ刑事アクションの佳作だ。

警察の面子を賭けた任務を命じられたのは、家族思いで日々の生活に追われるマーカスと、親の財産でリッチな生活を送るプレイボーイのマイクの対照的な二人の問題児コンビ。
小心者のマーカスとは正反対に、直情的かつ好戦的な性格のマイク。
基本的にマイクの暴走が原因で事態が悪化してしまう。
それに付き合いつつ、ツッコミを入れるマーカス。
反する価値観や捜査方法でぶつかり、けなしあいながら事件解決に挑むバディ映画として楽しめる。
刑事バディアクションの傑作「リーサルウェポン」の変化版である。

やりすぎな捜査で大暴走する凸凹コンビの活躍を、ベイ監督が映画初監督作と思えないほど、抜群のテンポとスタイリッシュな映像で描き出す。
デビュー作から、後に「ベイヘム」と呼ばれる監督の個性が全開。
ローアングル撮影のスピード感とスローモーションを多用したアクションのメリハリ。
イイ女、イイ車、派手な破壊、と娯楽映画に欠かせない要素が良く分かっている。

マイクの情報提供者の女性が窃盗犯フーシェらに殺害され、女性の親友ジュリーが現場を目撃して追われ、マイクに助けを求めてくる。
しかし、マイクは不在で、よせばいいのにマーカスがマイクの振りをして、彼の部屋で匿う。
なぜかマイクも渋々付き合う身分入れ替えコメディが展開。
家族と仕事の両立に悩む夫が、妻の尻に敷かれる様子も笑いのネタにして、金持ちで独身を謳歌する相棒との落差を見せつける。
「結婚の良し悪し」を描くのは、顕著になってきた格差社会の隠喩であり、「セブン」でも描かれていた。
90年代当時の映画の流行が懐かしい。

マイケル・ベイ監督はストーリーを犠牲にしてでも、かっこいい演出やアクションや爆発の見栄えに拘るため、物語はツッコミどころだらけ。
今、冷静に見るとコンビ入れ替わりネタが割と長く、飽きてきたら、実はジュリーもトラブルメーカーだったと暴れる脚本の混沌ぶりが難点。

個人的には悪役の親玉フーシェが一番のお気に入り。
演じるは「ニキータ」のフランス俳優、チェッキー・カリョ。
殺人の目撃者とはいえ、警察に匿われるジュリーを、自らが奪いに出向く大胆さ。
スマートな冒頭の手口の知的さと、何を考えているか分からない不敵さがイイ。

コメディ要素が強いが、アクションはクライマックスの空港での銃撃戦がピーク。
爆発で札束が燃えて宙に舞う一瞬のカットが美しい!
ポルシェとコブラの名車カーチェイスから、フーシェと大見え切ったバトルと見せ場満載。
フーシェの挑発的な「さっさと殺せ!」という滅びの美学はアメリカ俳優には出せない。

無駄なシーンや回りくどさはあるが、そこも含めて雰囲気を楽しむ映画だろう。
タイトルの通り、まさに悪ガキのまま成長したワチャワチャした2人の掛け合いが見どころ。
幼馴染の同級生?漫才、ブラザーフット感が微笑ましいアクションである。
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