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インビジブル2のよーだ育休中のレビュー・感想・評価

インビジブル2(2006年製作の映画)
2.5
過去の実験失敗を受けて、国防総省は透明人間を作り出す計画を別の研究所に引き継がせていた。新たな研究チームは独自のアプローチで元陸軍兵士のGriffin(Christian Slater)を透明化させる事に成功したが、新たな薬には被験者の生命予後を悪化させる重篤な副作用があった。薬の副作用で身体的苦痛が悪化したGriffinは研究所から逃走。緩和剤を求めて研究に携わった科学者を襲い始めた。


◆透明人間によるアクション作品

前作では《透明になった問題児》の異常行動と、地下研究所で《姿の見えない殺人鬼》と対決するというスリラー要素が強い作品でした。今作でも敵方が《透明人間》である事に変わりは無いのですが、ヴィランに狙われた女性と、彼女を守る(というか、ヴィランに殺された相棒の復讐がしたい)警察官が見えない敵から《逃げつつ戦う》という【ターミネーター】に近いプロットでした。

今作の《透明人間》は万年反抗期の科学者ではなく、従軍経験のある元米兵とのことでしたので、インテリでは無い脳筋タイプの《見えない姿》が《軍隊スキル》を活かしてがっつりチェイス掛けてくるのかと期待していました。なのですが、期待は大きく裏切られることとなりました。

雑踏の中を歩く主人公達に対して、遥か後方からモブキャラ達を薙ぎ倒して猪突猛進するシーン。前作にはない可視化の演出でしたし、派手さもありました。でも脚本的にはアウト。全然ハラハラしないし、ターゲットに直ぐ勘付かれて逃げられてしまうお間抜けっぷりを発揮します。序盤でクレバーな雰囲気を出していた奴と同一人物とは思えないアホっぷり。(このシーンに限らず、敵のキャラブレが激しい作品ではありました。)



◆明らかにパワーダウンした続編

前作ではVFXによって透明になる過程や、グロテスクな半透明人間。サーモグラフィーカメラ越しに見る透明人間の姿など、強烈な映像が印象的でした。続編たる今作では、それらの映像は全カット。薬で透明人間に変身する場面があるのに、肝心の変身シーンは全カット。

サーモグラフィーカメラの代わりに登場した暗視カメラでは、真っ白けっけな人型だけボヤーッと浮かび上がる手抜きっぷり。前作ではサーモグラフィー越しにご子息様の様子まで再現していたのに。そもそも透明人間が暗視カメラで視認できる様になる理屈がわからん。手抜きとしか考えられないな!

ラストで一番盛り上がるはずのシーンも地味〜な仕上がり。見えない者同士で殴り合われても、こっちは何も見えてないんですけど…。

作風も、登場するキャラクターも、透明人間になる薬も違う今作。どうして5年以上経過したタイミングで続編を製作したのか本気で解せない。