本編はどちらかというと石松くんが殴られる内容よりも(何回か殴られるけど)、常吉の兄を叩き切った桂之進が起こした事件の真相を知る七平を追う…とは言え桂之進ともやり合ったりチャンバラありなので大まかに言うとアクションかな。
事件の真相自体を最初にはっきりと見せる掴みは娯楽作としてはいいんだけど、肝心なサスペンスとしては今ひとつだった。
とはいえ本作の魅力は石松にこそあると思う。旅人の時次郎を演じる片岡千恵蔵もいいけど、あの片目男で短気の頭足らずな石松くんが愛おしい。
特に彼が一番輝いたのは役人との会話シーン。普段丁寧さに慣れないのに、口調に何があっても無理矢理『奉ります』をセリフのつける圧倒的な不自然さ。かわいい。
余談だが、DVDの説明見る限り縮尺版らしい。なるほど。通りで一部のシーンでの繋がり不自然で前のシーンがぶつっと切れた感を感じたのだろう。