おかあさんのダメハムのレビュー・感想・評価

1952年の成瀬巳喜男監督作品。
貧しいクリーニング屋の家族の移ろいゆく時を淡々と描く。田中絹代の温かく包容力のある母親像が素晴らしい。悲嘆に暮れるシーンを極力排除しながらも妥協のない優しさが胸にしみる。子を思う母、母を思う子の気持ちは何ものにも代え難い。この思いが、いつの世も普遍的であれと心から願わずにはいられない。

「お母さん幸せですか」の言葉が今も胸に突き刺さって抜けないね。