1935年、考古学者デフォンテーヌ教授率いる遺跡調査団が3000年前のミイラを発掘、石棺に収められたミイラをルーヴル美術館に向けて船で搬送することとなったが、乗組員に自殺が続出、教授も謎の死を遂げ、その記録はルーヴルの収蔵室奥深くに葬られることとなった…というストーリー。
フランス人なら誰もが知るルーヴル怪奇伝説をソフィー・マルソー主演で映画化したホラー・ミステリー。ルーヴル美術館で撮影されたことも話題になってましたね。
およそ60年後、大規模な拡張工事を始めたルーヴル美術館の地下収蔵室から謎の石棺がデフォンテーヌ教授の日誌と共に発見される。この日を境に、再び奇怪な現象が起こり始めた、という内容です。
石棺から出されたミイラから飛び出した幽霊が、偶々深夜に美術館に忍び込んだ、美術館の前のアパートに住むソフィー・マルソー演じるリザに憑りつき、やがて夜な夜な美術館内に謎の怪人が現れて遭遇した警備員が死を遂げていく、という展開ですが、ジャンル的には一応「ホラー」だけど怖さはないですね。冒頭のミイラを搬送する船の中で乗組員が次々と自殺を遂げたりして死んでいく所は「ドラキュラ」のデメテル号彷彿させて怪奇映画っぽさがあって悪くなかったですが。
ミイラから飛び出す幽霊はオレンジ色に光る骸骨と姿してますが、バリバリCGだから全然怖くないですね。ヒロインがエッチしようとしてる時に横でそれ見てる所は笑っちゃいました。しかもこれからって時に乗り移って邪魔するし(笑)
夜な夜なマスクとマントつけた怪人が深夜のルーヴル美術館の中を徘徊しますが、探し物してるだけで積極的に人を襲うわけではないんですよね。警備員の前に現れてその目を見たら一番恐れてるものが幻覚として現れて発狂して自殺しちゃいますが、この幻覚も全然怖くなかったですね。グロ描写も全然ありませんし、死者も結局二人くらいだったな。怪人の正体は憑りつかれたリザですが、その正体自体も割とすぐに明かされます。
登場人物が皆呑気に恋愛してるのも怖さを感じられない一因であるかもしれませんね。まあ、これはフランス映画らしいと言える部分でもありますけど。過去にも現れたルーヴルの怪人を追う老刑事も仕事中でも酒飲んでる研究員のオバサンナンパしたりしますし。リザに恋してるマルタンが怪人の目を見ても幻覚見ないのも「愛の力」というのもフランスっぽい。
ソフィー・マルソーは相変わらず美人でしたね。憑りつかれてからは無意識に夜にルーヴル美術館に死の鼻根dなり、人格も変っていきます。後半で病院に収容されて、病室で壁をグルグル動き回ったりする所はエクソシストっぽい。
ルーヴル美術館の警備のザルさもツッコミ所ですね。主人公の住んでるアパートの地下と美術館の地下が繋がっているのもありますが、それにしても工事してる所に堂々と忍び込んでも止める人が一人しかいないし、警備員たちも易々と毎回侵入許しすぎでしょ。ルーヴル美術館でロケしたといっても、そこまでじっくり内部見せてくれるわけでも無いですし。
最後の成仏する為の儀式に必要な道具がアッサリ見つかる所は笑っちゃいました。過去にも見つけようとしたみたいだけど結局今まで見つけられなかったって幽霊さん何してんの。儀式を終えた後、美術館中の展示物から幽霊たちが飛び出してくる所はちょっと面白かったですね。他の皆は今まで特に悪さする事無く展示物の中に潜んでたんだな。
ホラーというには怖く無さ過ぎる作品でしたね。ソフィー・マルソーのファンなら見てみても良いのではないでしょうか。