市川雷蔵主演による「眠狂四郎」シリーズ第二弾。
三隅研二が監督を務める本作、雷蔵が眠狂四郎のキャラを確立した作品とも言われている。
眠狂四郎は偶然出会った少年の父親の敵を討ち、奪われた道場を彼に返す。
その時に出会った老人と意気投合する狂四郎だが、なんとその老人の正体は幕府勤めの勘定奉行の朝比奈であった。
彼は市井の為に、将軍の娘である高姫の化粧代を削減した事によって、高姫が雇った殺し屋に命を狙われている。
朝比奈を気に入った狂四郎は、刺客から彼を守るが…
90分足らずの短い時間の中に、狂四郎のカッコ良さから、復讐、貧富の差、恋愛、武士の勝負、等、映画として楽しめる要素がうまく盛り込まれていて凄い。
かと言って昨今の映画のように、細切りでテンポ良く見せているかというとそうでもなく、適度な間があるのが素晴らしいと感じた。
藤村志保と加藤嘉が本当に素晴らしい芝居を魅せてくれたので、ひとつひとつのシーンが脳裏に焼き付く。
とは言うものの、やはり雷蔵演じる狂四郎の数々のセリフ、そして佇まいが、子供の頃、アニメに出てくるヒーロー達に憧れた時を思い出すくらい輝いていた。